高橋陽一氏がアラブニュース・ジャパンの取材に応じ、「ストーリーは続く」と語った。
同氏はアラブのファンに対し、漫画へのサポートに感謝を送った。
マナール・エルバス
と
岩田明子(インタビュー通訳)
アブダビ:アラブ圏では「キャプテン・マジッド」として知られる人気漫画のキャラクター「キャプテン翼」は、今後も様々な形で描かれる予定だと作者の高橋陽一氏は述べた。
アブダビで開催された中東フィルム&コミック・コン(MEFCC)の最終日、日曜日にアラブニュース・ジャパンの取材に応じた高橋氏は、今後もキャラクターの開発を続けていくと語った。
「漫画の連載が終わっても、例えばアニメがあり、そこで物語を語り続けることができると信じています。だからこそ、私はこれからも物語を書き続けるつもりです」1981年に週刊少年ジャンプに初めて発表され、その後連載されている漫画『キャプテン翼』について、高橋氏はこのように語った。
この伝説的な漫画家は1月、Xに声明を投稿し、COVID 19以降、描くペースの低下、異なる描画環境やスタッフ体制の維持のため、漫画連載は終了すると発表した。物語の結末については大まかな目処がついているという。
「計算すると、構想をすべて漫画化するにはこの先40年以上かかってしまうかもしれません」と彼は声明で述べている。「たとえばネーム(漫画制作の元となる絵コンテのようなもの)などの形で“物語”を残すことだけに集中すればできるかもしれない」と思ったのだという。
アラブニュース・ジャパンのインタビューでは、1年ほど前から連載終了を真剣に考え始めたと語っている。
「頭の中にある物語を実際の漫画にするのは膨大な時間がかかります。漫画の連載をやめて、頭の中のストーリーを整理し残すことに集中し、ストーリーを視覚化する他の方法を模索したほうがいいと思ったのです。そうすれば『翼』のフィナーレを迎えることができる。それが私の選んだ道です」
漫画家は、ファンがさまざまな形で『キャプテン翼』を応援し続けてくれることを願っている。アラブニュース・ジャパンの取材に対し、「ストーリーがどこまで行っても、ファンがフォローしてくれたら嬉しいです。物語はまだ終わっていません。ファンの皆さんには、これからも楽しんでいただければと思います」と語った。
MEFCCでのパネルでの高橋氏(ANJ) アラビア語に吹き替えられたキャプテン・マジッドは、中東地域で最も人気のある日本アニメのひとつとなった。アラブニュースが実施したYouGovの調査では、全年齢層で75%の回答者がこのアニメを最も好きな作品に挙げている。
「サッカーは日本だけでなく、あらゆる国で世界中で愛されています。主人公は世界一のサッカー選手になるという大きな夢を持っています」と、高橋氏は中東で人気が出た理由を語った。
アブダビを訪れた際には、アラブのファンへの感謝を示した。「アラブ首長国連邦と湾岸地域の皆さん、遠く離れているにもかかわらず、日本の漫画を読み、応援してくれていることに感謝します。本当にありがとうございます」と述べた。
高橋氏は日曜日にMEFCCでファン交流セッションを行った。また、エイミー・ティーノが司会を務める「静岡のサッカーピッチから世界的な日本のアイコンへ」と題された単独パネルに登壇し、漫画のインスピレーションについて語った。