
キーウ:国連は24日、ロシアとウクライナ両軍による戦場での捕虜の即決処刑が起こっていると述べ、それを「深く懸念している」と発表した。
この申し立てがあったのは、捕虜になったウクライナ軍人を殺害したとしてキーウがロシア軍を非難した後、間も無くのことである。「ウクライナに栄光を」と声を上げた後で射殺されるウクライナ兵士の姿が映像に収められていた。
国連ウクライナ人権監視派遣団のマチルダ・ボグナー代表はキエフでの24日の記者会見で、派遣団は最近、両国による殺害を記録していると述べた。
「我々は、最大25名のロシア人戦争捕虜と戦闘不能者に対してウクライナ軍が即決処刑を行なっていると記録しており、それについて深く懸念しています」とボグナー代表は述べた。
「これは大抵、戦場で捕虜を捕らえた場合に直ちに実行されています」と彼女は解説した。
「22人の犠牲者を伴う5つの事件について、ウクライナ当局が捜査中であると認識しています。ですが、加害者の起訴については確認できていません」と彼女は付け加えた。
ボグナー代表はまた、ロシア軍が、ウクライナ人捕虜15人を捕らえた後で処刑した疑いについても「深い」懸念を表明した。
彼女は、そうしたケースのうち11人の殺害に関わっているのがワグネル傭兵部隊であると述べた。同部隊は、この戦争で最も長く血生臭い戦いになっている、ロシア軍のバフムート攻撃を指揮していると主張している。
モスクワとキーウは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が1年前に侵攻を始めて以来、戦争捕虜を不当に扱っているとして互いを非難してきた。
24日に発表されたある国連報告書は、ウクライナの軍人が、捕虜に対して殺害の脅迫や模擬処刑、性的暴力の脅迫を行なったと主張している。暴行の一部は「純粋な報復」だった、と報告書は指摘した。
派遣団は、「いくつかの事例では、将校が「これはブチャのためだ」と言いながら捕虜を殴打した」と抑留者が語ったことを報告した。言及されたのは、広範囲にわたる残虐行為を行ったことでロシア軍が非難されたキーウ近郊の町である。
報告書は、「尋問前に、警告として血にまみれた斧の柄を見せられました」とのロシア人捕虜の発言を引用している。
報告書には、「尋問は1時間ほど続きました。彼らは、私が嘘をついていると思うたび、合計で6回電気ショックを使いました」という拘留者の証言がある。
ウクライナ人捕虜からの引用には、拷問や性的暴力を受け、食料や水の不足にさらされ、医療処置を拒否されて死に至ることもあったと報告されている。
彼らは、情報を得るためや罰として拷問されたり、不当な扱いを受けたりしたと述べた、と派遣団は報告した。
ウクライナの捕虜は、シャベルで殴られ、刺され、電気ショックを受け、首を絞められたと報告した。
「彼らの中には、歯や指を失った者や、肋骨、指、鼻を骨折した者もいました」と報告書は述べている。
「彼らは私たちを殴っただけでなく、壊したのです。彼らは拳、脚、警棒やテーザー銃を使いました。腕や脚を折られた捕虜もいました」というある男性の証言が引用されている。
ウクライナ議会の人権委員を務めるドミトロ・ルビネツ氏は24日、ウクライナ軍に対する申し立てに「驚かされた」と発言し、事前に知らされていなかったと述べた。
彼はテレグラムで、国連報告書の「結論がベースとしている、事実と議論の余地のない根拠を知りたい」と述べた。
AFP